細い線を描く

絵を描いていると、細い線を描く必要があることがあります。

細い線を描く方法

鉛筆や細いペンで描くのは容易ですが、油絵や水彩画で細い線を描くときには、多少の工夫が必要になります。
細い線を描く方法には、次のような方法があります。


細い筆を使う

もっとも普通の方法は、細い筆を使って細い線を描く方法です。
細い筆を特に面相筆(めんそうふで)といいます。

細い線は細い筆で描く、というのは当たり前のことのようですが、実際には簡単なことではありません。
筆で細い線を描こうとすると、ぶれたり太さが不均一になりがちです。 そのため、筆を親指・人差し指・中指の三本で持って、小指または小指と薬指を描画面に固定するなどの工夫が必要です。
描画面が乾いていないときには、棒などを使って描く手を安定させます。このような用途に使う棒を腕鎮(わんちん)といいます。
また、細い筆を使う時には、絵の具を水やとき油で溶いて適切な粘度にする必要があります。
ところが、絵の具を水やとき油で薄めると、色をじゅうぶんに乗せることができないことがあります。 といって、何度も重ねると細い線を描くことができません。そのようなときには、下に示すほかの方法を使います。


塗り重ね

線を太めに描いてから、ほかの色を両側から塗り重ねて細い線を実現します。
次の例は、赤い線に対して、緑色を重ねて細い線にする例です。

この例ではわかりやすいように線を太めにしていますが、同じ手法で線をどんどん細くすることができます。
この方法は塗り重ねても色が混ざらない絵の具が十分乾いた状態で実施すると良いでしょう。


ナイフを使う

ペインティングナイフのサイドを使って細い線を引くことができます。

同様に、薄いへらなどで細い線を描くこともできます。建築用のへらでこのような用途に使いやすいへらがあります。


マスキングテープを使う

2本のマスキングテープを、細い間隔を開けて貼り、そこに絵の具を載せます。
遠くにある高い煙突、ヨットのマストなど、長い直線を描くときには特に有効です。


注射器を使う

注射器に絵の具を入れて描きます。
線を描くために使うことができる安価な注射器は、Amazonなどで手軽に入手できます。
絵の具を入れるときには針のほうから必要な量だけ吸い込むほうが後の掃除が楽になります。

注射器は使い終わったときによく洗う必要がありますが、このとき、筒や針に絵の具が残らないように、 ブラシクリーナーや水を筒に入れて排出するときれいになります。


下書きをいかす

油絵を描くときに、先端を細くした木炭や鉛筆で細い線を描き、その上に 透明性のある絵の具で色を塗ることで、下に引いた線が見えるようにします。
線の周囲の色が濃い場合は有効ではありませんが、薄い色の場合はとても便利に活用できます。
下の例は、テーブルクロスの模様に下書きの黒い線を活用した例です。

下書きの線を描くのは必ずしも黒である必要はなく、色鉛筆やその他の筆記具で描いてもかまいません。 重ねる色を塗る前に、線の色がにじまないように、フィクサチーフでしっかり定着させておくとよいでしょう。


墨だし技法

墨だしとは、建築や土木で古くから使われてきた技術で、線を描きたい面の近くに墨を含ませた糸をぴんと張って、 その糸をはじくことで長くて細いまっすぐな線を描く方法です。
絵画でもこの方法を活用できます。特に大きな作品のときに役立ちます。

絵画でこの方法を使うためには、適切な粘度の絵の具を使う必要があり、多少の練習が必要です。 また、一部がかすれる可能性があることを承知しておく必要があります。